「なんだかんだ言っても、低層マンション人気は根強いんですよ」。そう話すのは、都心で巨大な再開発を手がける大手デベロッパー。極め尽くしたタワーマンションも、閑静な低層物件に顧客を取られることが多いのだとか。高級賃貸は外国人をターゲットにしているが、それでも日本に住むなら、地面に近い部屋が心地いいという。
低層住宅地の新築分譲マンションは、必ずHPやチラシで「第一種低層住居専用地域」の良さをうたっている。もっとも厳しい用途地域だから、またその規制が好環境を生むのだからPRすべきであるが、じつは一低に大きく2種類あることは意外に知られていない。この点は業界でも明確に価値化しておらず、だから当然伝えきれていない。
都心の低層住宅地は、建ぺい率・容積率が60%/150%に指定されている場合が多く、一低のマンションはたいていこのゾーンにできる。が、さらに厳しい50%/100%の地域があり、普通に考えれば、戸建化されるところなのだが、ここ最近マンションが建てられるケースが増えている。
建ぺい60%は、じつは中高層住居専用地域(60%/200%)と変わらない。50%は1割空地が増えることになるのだが、木を植える場所が1割多く、それが何軒も連なることをイメージすれば、景観の差はなんとなくでも理解できると思う。容積も1.5倍違うんだな、2階建てで容積取り切れるんだな、ということは3階建てのマンションはもっと緑地が作れるんだな、と頭の中で考えることができれば、同じ低層マンションでもその雰囲気が異なるものであることが認識できるのではないだろうか。
城南エリアの少棟戸建てを得意としていた地元の工務店または中小デベロッパーが元気がないのか、マンションデべの方が、入札額が高いからなのかわからないが、今時点でゴットー(50%/100%の場所を業界でこう呼ぶ)のマンションが数棟分譲中(予定含む)。低層ファンには絶好のタイミングといえるだろう。
【ゴットーのマンション】
■シティテラス下目黒
■ブランズ八雲
■クラッシハウス用賀一丁目