入口で靴を脱ぐ販売センターを最近は見ない。昔、建物にはそのまま入って、モデルルームの手前で靴を脱ぐレイアウトをどう思うか、と営業力で定評のある販売員に聞いてみたら、そんなことをしたらすぐ帰ってしまうじゃないかと驚かれた。当時は少しでも長く販売センターに居させることのできる営業マンが優秀であるという認識だった。
不動産デフレ下では、早期完売が大命題になる。だが今は会社によって見方が違う。地価が一律に下落しているわけではないからだ。完売までの時間のかけ方が違えば、販売センターの役割も変わってくる。「総合マンションギャラリー」(住友不動産)が好例だ。大手も試行錯誤の時代に入った。このマンションもそんな視点で見ると、単価(500万円/坪)の割には大量集客型の箱に仕上がっていた。