中古マンションの取引件数は、この10年でどれくらい伸びたか
年間で住宅の取引件数が最も伸びるのは3月。そこで、中古マンションの成約件数を直近2018年とリーマンショックがあった2008年の同月比を調べてみた。10年を通して、東日本大震災やアベノミクス、相続税改正といったマンション市場に影響を与えるトピックが起きたが、結果として現時点で「増減の違い」や「地区別特性」はどれくらいデータに反映されているのだろう。(データ出典:東日本不動産流通機能)
首都圏全体は23.6%増もピーク時に及ばす
まずは、首都圏。中古マンション成約件数は2008年3月3089件に対し、2018年3月3819件。10年で23.6%増加した(戸数にして730戸)。最大値を記録したのは2014年3月3994件で、ピーク時からは4.4%減ったことになる。ちなみに新築分譲マンションは、2008年3月首都圏で4446戸売り出され、2018年同月は3617戸。10年で18.6%減少(戸数にして829戸)した。
東京都は44.4%増、最大値を更新
次に、東京都。中古マンション成約件数は2008年3月1374件だったのに対し、2018年3月は1984件。44.4%増、戸数にして610戸増加した。2014年3月の最大値だった1983件を1件上回り、記録更新した。首都圏における東京都の中古マンション市場は、成約件数ベースでは5割程度のシェアであるが、10年間の成約件数の増加分では8割以上を占める。
都心3区は倍増
23区を地区別にみていく。まずは、都心3区。中古マンション成約件数は、2008年3月138件だったのに対し、2018年3月277件。100.7%増で、倍増となった。最大値は2017年3月242件を15%程度上回り、大幅な記録更新となった。在庫も低減傾向にあり、他地区とは異なる動向を見せている。
城東地区50.2%増、最高値も更新
城東地区は、中古マンション成約件数が、2008年3月301件だったのが、2018年3月は452件。50.2%増となった。この件数はギネス更新である。
城南地区は43.8%増も、記録更新ならず
城南地区の中古マンション成約件数は、2008年3月242件だったのに対し、2018年3月348件。43.8%増である。件数ピークは、2013年3月352件で、約1%下回った。
城西地区は65.1%増も、記録更新ならず
城西地区の中古マンション成約件数は、2008年3月152件だったのが、2018年3月251件65.1%増である。件数ピークは、2015年3月と2016年4月に記録した258件であり、7件下回った。
城北地区は9.4%増にとどまる。ピークから約2割減
最後に、城北地区。中古マンション成約件数は、2008年3月256件だったのが、2018年3月280件。9.4%増は他地区と比較すれば、小幅な伸びといえそうだ。2014年3月に記録した最大値347件からは67件の減少となり、割合にして約2割少ない。