家とブランド
以前、当ブログは「住宅ブランドの実際」というタイトルだった。デベロッパーが、自社のマンションを「ブランド化」しようと競い合っているのを見て、その差異を綴っていこうと思ったからだ。
デフレのときは、今とは異なる緊張感があった。時間をかけて丁寧にものづくりをするほど、仕入れた土地の市場価値が下がっていくから。かといってスピードだけでは顧客は満足しない(=売れない)。その土地が持ちうる個性をどうしたら建物で表現できるか。「質が高く、センスが良く、住むほどに気に入る家」をいかに早く作れるか。まずは、社員が同じ意識で取り組むことがブランドづくりの第一歩。一体感醸成にも効果がある戦略だ。
マンションブランド図鑑
今週発行(2018.4.24)「スーモ新築マンション」の特集【マンションブランド図鑑】で取材を受けた。コメント記事が掲載されている。
マンションデベロッパー供給上位34社の「約束」が一覧になっている。2017年供給戸数5663戸で第1位の住友不動産も、同253戸で近畿圏19位の南海不動産も同じレイアウト、文字数であらわされている。「200字でわかるマンションブランド図鑑」。毎年やって、ラインナップの違い、順位の違い、内容の違い、を追っていけると面白い。「どこが作ったマンションか」これからのマーケットでは当然の条件になるはずだ。
デベロッパーの「ガバナンスとコンプライアンス」
ブランドを評価するポイントはいくつかある。まずはその企業が存続すること。アフターメンテナンスも会社がなければ始まらない。だから収益の出る体質であることが重要だ。次に、ガバナンスとコンプライアンスが効いていること。開発、建設、分譲は多くの法が関係している。そして顧客とどう向き合うか。経営からのメッセージが参考になるだろう。この特集を機に、購入検討者にはじっくりとブランドの中身を読み込んでもらいたい。