本日、旭化成ホームズ㈱マンション建替え研究所は、同社がこれまでに手がけた建て替えマンションの所有者に向けて実施したアンケート調査を発表した。対象物件は7棟。回答数は248件である。
この調査で特筆すべき内容は以下の3点である。
まず1点目は、従前よりマンションに居住していた割合の高いマンションは、建て替え後も同様の傾向がある。逆に外部に居住する割合の高いマンションは新しくなっても戻ってこない場合が多い。一度転出すると戻らないのである。したがって、所有者が居住している間にマンションの将来を話し合っておくことが重要だとしている。
次に、所有者の建て替えに際しての不安は「仮住まい・引越し」「資金計画」「賃借人の退去」の3つが大半を占める。これは建て替えの話し合いがまとまりづらい理由が個別事情に紐付いたものであり、その解消法は個々の面談が最も有効的であることを物語っている。同社は基本、全所有者と3度の個別面談を行なうことにしているという。
最後に、建て替え時期の妥当性であるが、全体の55%が「適当だった」とし、43%が「もう少し早くてもよかった」と答えている。7棟のなかには築30年にも満たない物件が2棟(一方は隣接建て替えと合体して総合設計の活用を、もう一方は高さ制限が厳しくなる前に決断したマンション)だったが、老朽化だけが建て替えの引き金になるとは限らないことを実証している。
同研究所では、マンション建て替え事業で得たノウハウをより多くの管理組合にいかすと同時に、事業活動を通して、現行の法制度の問題点や新たな提言を積極的に発信していきたいとしている。
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建替え研究所長 向田慎二氏