ハウスメーカー ブランド 経営者の思い

一戸建てよりマンションが魅力的に映る理由

今月12日、三菱地所ホームは成長戦略に基づく「3つの新商品投入」発表会を開催。富裕層向けブランド「オーダーグラン」、ゼロエネルギー住宅「ワイズエイチ」、木造賃貸住宅「ザ・パークメゾン」の3つである。「オーダーグラン」は建築費坪@120万円程度の水準を、「ワイズエイチ」は2015年4月導入「HEMS」+「太陽光発電」標準搭載による冷暖房費ゼロをさらに推進、「太陽光発電パネル増設」+「エネファーム」+「樹脂サッシ」標準搭載で2020年ZEH化率80%以上の新基準を先取りするものであり、「ザ・パークメゾン」は相続税改正対応によるラインナップの拡充である。

質問の段に入り、冒頭三菱地所ホーム加藤博文社長が述べた「一戸建ての魅力を広めたい」とのコメントに対し、某業界紙編集長がこう問うた、「一戸建ての魅力は、あらためて言うとどんなことになるのでしょう?」都市部ではマンションの注目度が高まっているという認識が背景にあるようだ。

マンションのステイタスが上がった実感について、こんな2例が象徴的である。ひとつは高級住宅を得意とするインテリアデザイナーが「【マンションみたいにかっこよくして】と戸建ての施主が言うのを聞いて、随分世の中変わったものだと思った」。もうひとつは、あるハウスメーカーの新モデルハウスお披露目会で「マンションのように洗練された内装・設備を注文住宅にも導入できた」と役員が説明したこと。

フルオーダーなのに「マンションのほうが」「マンションのように」となること自体矛盾しているような気がしないでもないが、現実そうなのだから仕方ない。

供給側の当事者が解決し難い問題として「総事業費の規模」があると考える。マンション分譲は一般的に大量な住宅を(自然発生する地元の住み替え需要をはるかに超える供給戸数を)短期に売らさばかなければならない。そのため「エリアの魅力」「建物の魅力」「価格の魅力」などを宣伝して、大量集客・竣工完売を試みる。小さくても地元で評判のレストランならパンフレットに載せ、鉄筋コンクリートの性能や構造の解説も詳しく伝える。集合住宅ならではの「共用施設」「眺望」は言わずもがなである。かたや一戸建て分譲の場合、マンション同様の宣伝予算を持ったプロジェクトはまずないだろう。内装・設備も発注する個数によってグレードに差が出やすいのは想像に難くないだろう。

つまり、マンションの魅力については「規模の経済」を得意とするマンションが「集合住宅そのもの良さを伝えることにも波及」して世の中に拡販されるという副次的効用をもたらし、その一方で一戸建ての魅力は相対的に理解しずらくなってしまった(=そういう機会に恵まれない宿命にある)ということである。

前述の回答は、「駐車場コスト」「ペット(とくに大型犬など)対応」「自由設計=画一的でない」などだそうだ。

では、あらためて一戸建ての魅力とは何か?まず思うことは「4面開口が可能なこと」である。通風・採光に優れていることは、日本の気候・風習において有効な特性である。次に「立体空間の活用」。バリアフリーではないという点でデメリットになるケースも有り得るが、区分では困難な吹き抜けや上下の空間は戸建てならではの特性である。さらに「外観・外構の工夫の余地」が挙げられる。クリスマスのライティングが競うようになったとの話があるが、それはさておき「外観」「外構」自体が個性を表現できる場として世間に定着すれば、戸建て派は長期に増殖するのではないかと思う。子どももDIYが手軽に楽しくできれば、という意味を含んでいる。

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