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三菱地所が高級賃貸市場に参入しない理由

2016/04/18

<現地案内図>「恵比寿南」とあるが「恵比寿」の間違いと思われる。

<現地案内図>「恵比寿南」とあるが「恵比寿」の間違いと思われる。

本日、三菱地所が運営管理する賃貸マンション「パークハビオ恵比寿」の竣工にあわせて、内覧会および事業概要の説明が記者向けに行われた。賃貸事業の方針と概況を三菱地所賃貸住宅事業部長の坂口康之氏が、市場優位性を維持する具体的なシーズを同副長の大野泉氏が、賃借人の評価を三菱地所ハウスネット大手町営業第二部の後藤充孝氏が、稼働物件の一部売却先となる三菱地所投資顧問の取締役水上博史氏が投資運用市場での現況を解説した。

三菱地所の賃貸マンション「パークハビオ」シリーズは現在34棟2,909戸、計画中を含めると53棟約4,505戸に及ぶ(2015年8月まで)。パークハビオといえば、閑静な住環境のデザイナーズ低層マンション「パークハビオ学芸大学」(2005年3月:24戸)やグッドデザイン賞を受賞した「パークハビオ駒沢大学」(2010年2月:37戸)、最上階にプールを配した「パークハビオ新宿イーストタワー」(2011年12月:761戸)など周囲の景観に融合しながらも洗練されたデザインにこだわった建物や再開発ならではの超大型プロジェクトなどが特徴的だという印象を持っていたが、こうしたテイストは「もうやらない」(大野氏)という。「パークハビオ恵比寿」の外壁は、正面(西)こそタイル貼りだが北面などはすべて吹き付け塗装。決してチープに感じたわけではないが、徹底したコスト管理が一見してわかる。

個性を押し出すことをやめた理由は、一般ウケする商品企画のほうが「ボラティリティが低い(家賃相場の変動が小さい)から」(大野氏)だ。一般ウケといっても、例えばワンルームならば20㎡に満たない世の中の大多数を占める広さではなく、ベッドとソファが置け、料理もしっかりできるキッチンや十分な玄関収納を備えた「仮住まい的ではない、居住性の高い単身居住者住宅」である。2009年以降、方針変更し都心部のシングルか二人暮らし用の「コンパクトタイプに特化」(坂口氏)。結果、現在では90%以上の稼働率を誇り、「契約者の80%が住み続けたい(入居者アンケートから)と思わせる、市場にマッチした商品企画を提供できている」(後藤氏)。大野氏によれば、賃貸事業の特色は、①都心で好アクセスの立地②ニーズに即した商品企画③グループ一貫体制の3点。商品企画の中身は面積、グロス(賃料)、賃料単価、水回り、間取り、外観、エントランスなどにそれぞれ工夫がある。

キッチン

キッチン

賃料単価は「坪@1.2~1.9万円の範囲内に抑える」(坂口氏)。「パークハビオ恵比寿」の場合、25㎡台のワンルーム(「スタジオタイプ」と称している)がおよそ8割を占め、残りは30平米台~50㎡弱の1LDKだ。月額賃料はワンルーム13.5万円~14.4万円、1LDK21.3万円~28.1万円で、シングルタイプは15万円を超えない、二人暮らしは30万円を超えない設定にしている。単価でみれば相場より15%~20%高い。間取りはワンルームならばベッドを開口部に対して並行における設計にこだわり、キッチンでは人造大理石のカウンターにスライド式の収納扉を選択している。廊下や洗面床はタイル貼りにし、他物件とのクオリティの違いをわかりやすく表現。分譲事業で培った細部の作り込みが、ありそうでなかった快適なコンパクトマンションを生み出した。

出口の最有力候補であるグループ投資法人(ないしは私募ファンド)の条件はキャップレートで4.5%。これまでの実績としては竣工売却した29棟のうち約半数がそれにあたる。

大手総合デベロッパーでは、住友不動産が「ラトゥール」シリーズを高級賃貸分野に特化して取り組んでいる。他にも東京建物が「アパートメント」シリーズを、東急不動産が「コンフォリア」シリーズ、三井不動産は「パークアクシス」シリーズを手掛ける。三菱地所のケースは「どこと似ているかといえば、三井不動産が一番近い市場になる」(大野氏)。景況に翻弄されやすい分譲市場に比べ、極めて安定した収益が期待できる住宅賃貸(シングルで15万円/月未満、二人暮らしで30万円未満)は、全社として業績の均一化を期待できるということだった。

■パークハビオ恵比寿<竣工記念:礼金0ヶ月キャンペーン実施中>

 

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