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2つの経営戦略

不動産は、同じものが二つとない商材である。これは厳密にいえば、分譲マンションにも当てはまることだ。

同じものがないということは、買い手は一人いれば、それでいい。その一人を見つけるために、何をするかが不動産販売の仕事だ。最終的な契約に至るまでに、平均10人の見学者が必要だといわれている。宣伝なしでも見に来る人が多いならば、広告はしなくても良い。来場者に説明だけしていればそれでよく、もし気に入ってくれたら、あとは契約などの手続きを進めるだけ。

少し、相場より高い値付けをするとする。そのかわり、建物のグレードを上げて、改良を怠らず、アフターサービスの体制も万全に整えて、少し高い理由をお客様に納得してもらう。1/10の確率を変えないように。そして事業を拡大し、ブランド認知を高めて市場シェアを伸ばそうというのがねらいである。このサイクルが回れば、入札で少し高く用地を仕入れても、相場より少し高く売れる力がつくため、リスクを低減させることができる。多くの大手企業はこうした考えのもと、事業を遂行してきた。

しかし、もう一方でこんな発想が生まれている。少し、高い値付けをする。ここまでは同じ。ここからが違う。グレードは上げない。最低限にとどめておく。もちろん基本性能は保ちながら、替えられないところだけはしっかりと作る。アフターも整備はする。少し高い理由を理解してもらう難易度が上がる。10人で良かったのが、20人になるかもしれない。しかし、モデルルームを開けてさえいれば、20という数字は特別難しい集客数ではないとしよう。この考えを採用するには、2つポイントがある。ひとつは、20人来るまでの待てる時間的余裕があるかどうか。もう一つは、グレードに対する否定的な意見が評判化するリスクをどう捉えるか。

競合が多く、デフレが予想されるときに、後者は選択しずらい。だが、新興企業も少なく、安定した需要が見込まれるのであれば、前者よりも利益率は高まる可能性がある。しかし、机上では論じることができても、いざ、実践するには思い切った決断を要する。とくに前者から後者へと舵を切る場合は。それと、前者は「モノづくりの会社」として見られるが、後者は単なる「マンションデベロッパー」である。不動産開発という意味では、プロではあるだろうけど。

物件紹介記事で取り上げやすいのは、もちろん前者。後者を取材する機会は減るだろう。ただ、「企業経営」をいう視点でみたら、興味深い試みであることには間違いない。

 

【2017年 この春の注目マンションプロジェクト】

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