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続編、即日完売(ソッカン)の持つ意味

企業の業績というものは、端的にいえば「市況×商品力×営業力」で決まる。市況は企業のコントロール下にないので、商品力と営業力をいかに伸ばせるかが要点だ。どちらも強いのが理想だが、現実には偏っている場合が多い。飛び抜けた商品力は営業力をあまり必要としなくなるし、強力な営業体制があれば、商品開発に投資するより、営業マンのインセンティブにまわしたほうが業績につながりやすいとの考え方ができなくもない。

住宅業界においては、強引なセールスで業績を伸ばしてきた企業は結局長続きしていない。しつこい電話がけや訪問販売は一部規制もかかり、いまでは多くの企業が「商品力向上に余念がない時代に入った」といえるだろう。商品力のなかには「安さ」を武器にするという手もあるが、耐震偽造問題やそもそも手抜き工事など「安かろう悪かろう」に対して消費者が身構えるこの分野においては、商品力イコール「高品質」と言い換えても良い。つまり「品質」をベースに「デザイン」や「機能性」も重視しながら商品力で競い合う。しかし、こと分譲マンションに限っていえば、三井や三菱が分社化したこともあり、いまマンション業界全体の流れとしては、商品性において優先されているのは「コストダウン」である。安定した収益率を保ちながら、シェアを伸ばしていきたいという手法を多くの大手経営陣はとっている。

こうした流れの中で、あらためて営業力のあり方について考える機会となったのが、「プラウド船橋」の500戸超ソッカンだ。営業力が強いというのは、ある角度から見れば「売りにくいものを上手に売った」との見方もされやすく、あからさまに評価するのが好ましいのだと顧客目線では言えないケースもありうるが、業績を上げるための重要なサプライチェーンの一部であることに変わりはないことをまず強調しておきたいと思う。

というのも、パイオニアを筆頭に技術力で定評のある企業が自力で存続できない事例が散見されるなか、いかに営業力を高めていくかは、今後のマンション業界にあっても重要課題の一つといえる。長寿命の商材を扱う住宅業界は、「存続」とは単に市場に価値(商品)を提供し続けることだけを意味するのではなく、取引した顧客に対する瑕疵担保保証や売却時など(かつての分譲主が倒産したというと、さすがにイメージは良くない)、いろんな場面にも影響を与える。そんなさまざまな視点からみたときに、営業マンのセールストークを鍛えるだけではなく、「どうしたら企業としての営業力が上がるか」はこれまで以上に大きなテーマではないか。また、野村のこれまで営業力を自負してきたマンション専業デベロッパーとの大きな違いは、顧客接点の強みを商品企画に反映(循環)している点である。これが、わかりやすい圧縮プランにむかっているだけならあえて評価する必要もないと思うが、立地特性を見極め、その場に合った選択をしつつあると最近の物件のなかでは感じることがある。「成否を分けるは、仕入れが8割」といわれてきたこの業界で、営業を事業のコアとして新しく構築した点はどの企業も注目し研究しているだろうが、企業間で見ればその差はいまだほとんど縮まってもいないように思える。ただ、ここのところ、三井の神楽坂や三菱の城南物件に代表されるように、セグメントしたマーケットの特徴に合わせた手法や合併効果を感じることもあり、変化の予兆は感じる。

即日完売という表現を用いることの是非は議論として残るようだが、船橋14分で570戸を一気に売る力を、単なる営業力としてとらえるのではなく、それをブランド力に転換し、長く企業活動を続けていくための主たる戦術のあらわれだと見れば、競合他社は簡単に見過ごせないと思うのだが。

 

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