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復興の現状と課題~住宅再建などの加速・生業の再生~

IMG_2432先週(8月2日)、日本不動産ジャーナリスト会議の研修会に参加。講師に復興庁中島正弘事務次官をお招きし、「復興の現状と最近の取組(住宅再建等の加速・生業の再生)」というテーマで講演していただいた。

まず避難者であるが、発災3日目の時点で約47万人。それが現在(2013年6月6日)は、避難所に118人、住宅等に282,791人、あわせて298,033人である。仮設住宅(岩手県・宮城県・福島県・茨城県・栃木県・千葉県・長野県)の現状は、47,839戸(109,014人)。公営住宅等(全国)は、9,999戸(27,375人)。民間住宅(全国)は、57,825戸(145,196人)である。避難先の都道府県は、宮城県(101,328人)、福島県(93,915人)、岩手県(38,780人)、山形県(9,083人)、東京都(8,875人)の順に多い。資料には、仮設住宅などへの入居戸数は減少し、恒久住宅への移転が始まりつつある、としている。

災害公営住宅は、岩手県に5,972戸、宮城県に15,381戸、福島県に3,098戸供給する予定で、2013年度中に、岩手県と宮城県の進捗率は15%であり、2015年度中には岩手県が99%、宮城県が75%の見込みだという。福島県は、2013年度中に879戸、2015年度中に2,869戸供給の計画である。

民間住宅等用住宅宅地の供給については、岩手県、宮城県、福島県がそれぞれ9,722戸、13,068戸、2,525戸を供給する予定。2013年度の進捗は、それぞれ11%、5%、684戸で、2015年度中には、同じく59%、51%、785戸の計画である。この分野が遅れているのは、造成を要する高台移転が中心となるためだ。高台移転に関しては、「住んでいたところから近く、津波のこない高台」を希望する声に応えるかたちで進められているが、なかには集落とするには世帯数の少ない造成地も少なくなく、実際に宅地を購入し、建物が完成するまでの被災者の意志の移り変わりはないか、街としての必要な利便が整うかといった懸念があるという。しかしながら、原則避難者の意見を汲み取りながら進められていくとはいうのものの、つい最近被災地を取材した記者からは「予算費消のために早く決めてほしい」とせっつかれるといった見方もあるそうで、このあたりは「未だ多くの人が仮設住宅から移れない」というメッセージの発信の仕方や受け止め方を考える必要があるという点で、広く正しい認識がなされるべきだと思った。

公共インフラは順調だということである。河川対策は99%が完了。交通網(直轄国道)も99%完了。鉄道は89%が完了。港湾は89%が着工で52%完了。海岸対策は42%着工、13%完了。海岸防災林は36%着工、13%完了。この分野はもともと得意だ、と事務次官は話していた。

農業の復興状況は、2013年度の作付け期までに全体の63%が再開できる見込み。水産業は、漁船の進捗が129%、水産加工施設が74%。一度途切れた販路の開拓などが課題であるという。観光業は、宿泊施設の延べ宿泊者数は震災前に戻っているようだが、観光客を中心とした宿泊施設の宿泊者数は、伸びてはいるもののいまだ震災前には戻っていない。

最後に原子力災害の状況である。原発被害についてはまず避難指示区域の見直しを実施した。年間積算線量が20ミリシーベルト以下となる「避難指示解除準備区域」、同20ミリシーベルトを超え、住民の被ばく線量を低減する観点から引き続き避難の継続を求める「居住制限区域」、事故後6年を経過してもなお20ミリシーベルトを下回らないおそれのある、2012年3月の時点で50ミリシーベルト超の「帰宅困難区域」の3つだ。「帰宅困難区域」は大きく6つの町村にまたがっており、なかでも富岡町、大熊町、双葉町、浪江町は町全体に占める対象区域の割合が大きい。町別に対応を考えながら、さらには1件1件異なるそれぞれの世帯事情を伺いながら、話し合いを進めていくことが重要だという。信用を得るには、縦割り行政の発想は無理で、できるだけすべての担当と一同に会せる形で訪問するよう指示をしているということである。

 

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