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アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)

IMG_3207一昨日は、日本不動産ジャーナリスト会議の研修会。アーキテクツスタジオジャパン株式会社の代表取締役社長丸山雄平氏を講師にお迎えした。同社は、2002年10月創設。建築家ネットワークを構築し、顧客が身近に家づくりを行うためのマッチンサービスを手掛けている。2014年3月期は売上高1,582百万円 (昨対17.3%増)、営業利益 272百万円(同 53.5%増)、経常利益 254百万円 (同44.1%増)、純利益 141百万円 (同35.1%増)。2013年にIPO(マザーズ)を果たしている。

建築家とともに注文住宅を建てる場合、通常は設計契約を締結してからでなければ、家づくりを進行させることができない。進めていくうちに建築費が当初の計画を大きく超えてしまったり、合意形成がなされず進行が中断したりと、トラブルのリスクを施主はつねに覚悟しなければならないわけだ。工務店、ハウスメーカーなどと比べると設計、建築費ともにコストがかかる事実もあり、ハードルが高いと一般的には認識されている。

丸山社長は理想と現実のギャップを埋めるため、顧客リスクの低減と建築家の力量を引き出す仕組みを考えた。具体的には、両者の会員組織化。顧客サイドには契約前にプランの提案と基本的な交渉を済ませられる安心感を。入会金は1万円(年会費なし)。建築家にはネットワーク(全国の施主)へのアプローチができる利点が受けられる。都度の交通費を顧客が負担しなくて済むというメリットも大きいようだ。地理的なハードルを除外した効用は、例えば沖縄などで顕著に表れているという。地元の設計事務所はマイナス面もあるが、逆に刺激を受けてレベルが向上している、と社長は語っていた。また建築家は、設計力もさることながらプレゼンテーション能力がとても高いと評価していたのが印象的だった。

BtoCとしては以上が概略であるが、ビジネスモデルのポイントはBtoBのほうにある。全国の工務店ネットワーク化である。現在ASJは3万2000人の顧客会員組織と2400名を超える建築家ネットワークを構築しているが、そのマッチングを行う場が「スタジオ」と称する工務店のオフィスである。成熟化する市場の影響を受け、売り上げベースで半分以下に下がった工務店は少なくなく、物理的なスペースを提供することに支障はなく、短期受注増に寄与するケースも珍しくないという。

工務店が参加するには一時金として300万円、月10万円を支払う。受注が確定した場合、ASJは建築家から設計料の10%、工務店から建築費の3%、つまり設計料が建築費の10%程度とするなら、建築費の4%が収入となる。スタジオ主催で会員獲得のためのイベントを開催、リスト化を図るが、その運営などもASJのノウハウが生かされるという。

工務店事業の事務業務はシステム化されていない部分も多々残っているようで、見積書変更などは手作業のようだ。分厚い資料を何時間もかけて作成し直す手間をなくすプラットフォームを開発し、展開していきたいということだった。

 

 

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