アラサー女子 資産形成

なぜ、アラサー世代の資産形成が容易でないか

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大事なのは、貯金より「値動き」

昭和の「高度経済成長期」に幼少時代を過ごした人は、「鉄道会社のストライキ」が頻繁にあり、そのたびに学校が休みになった経験がある。労使交渉がまとまらずストに突入。教師が通えないから休校。だから、運賃値上げが激しかった。記憶に残っている初乗りは15円(こども料金)。いまその路線は80円(同)。なんと5倍以上だ。こうしたインフレを物心つく前から体験していた世代は、手元にあるお金の額(貯金)より「この先、値段が上がるのか」といった感覚「値動き」の重要性を、無意識のうちに身につけているといえる。

デフレで培われた「貯蓄信仰」

一方、山一ショックのときに小学生時代を過ごした人たちはどうか。山一証券経営破綻は1997年である。

1997年に小学生だった人は、現在27~32歳。生産、消費ともに牽引する世代だ。当時のデフレは、首都圏のマンション価格も下落基調にあり、それは2002年まで続いた。不景気になるとレジャー、旅行が減るから「コト」の思い出が(あくまで相対的にだが)少ない世代ではないかと思われる。モノの値段が下がっていくから「今は辛抱してもう少し待ってから買おう」という会話を常に耳にしたかもしれない。つまり、手元にお金を「長く置いておくことが大事」という価値観を否応なしに刷り込まれた恐れがあるということだ。

貯金が良いという考えは、昭和世代は「無駄使いをしないクセを付ける」という意味で推奨するのだが、今のアラサー世代はそれが「イコール資産形成」だと勘違いしているのではないか。これは、その世代の人たちと話していて実感することだ。

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不運な環境

景気の波は大きく上下に循環するので、世代によって資産形成の価値観を築く素養が異なるのは自然なことともいえる。が、今のアラサー世代の環境に恵まれないことのひとつには、自分の親世代は「バブルは知っているが当時は20代でほとんどその本格的恩恵を受けてない人」や「少し良い目にあった人も中にはいるが、たいていそういう人はその後それ以上に損をしている」場合が多い。上司の世代はただただデフレの影響しか受けていない。仮に資産インフレを語れる人がいたとしても、それは特定の「都心マンション所有者」や「IPO長者」などに限られる。つまり、お金以外の資産に「現金と同等かそれ以上の価値があるという実感が湧きにくい環境に長く置かれている」ということである。

適したメディアの不在

この危機感を感じ取っているアラサー女子と会話をする機会がマンションセミナーなどで増えてきた。総じて「体系だって情報収集できていない」印象を覚える。指向と内容が合致するメディアが存在しないのではないか、というのが今のところの結論だ。かつてリクルートで「あるじゃん」という金融情報誌を発行していたが、女性読者が多かったようだ。いまはデバイス中心だから紙媒体は難しいかもしれない。

続く

 

 

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